編曲、ミックス、リミックス

朝から大阪へ。午後イチでIMI講義、今日のお題は『編曲、ミックス、リミックス』。


現行の著作権法ではメロディを考案した人間が「作曲者」としてその曲の権利を持つことになっている。しかし、それって映画にたとえれば「シナリオライターだけが映画の権利を持つ」ようなものじゃないか。シナリオを現実の映像にリアライズする作業こそが「映画」のメインワークであるように、メロディを編曲し演奏しミキシングによって現実のサウンドに立ち上げる全行程を大文字の「作曲」と呼ぶべきではないのか?


と強く問題提起するには至らなかったが(そんな事は各自かんがえれば良いことだ)オーケストレーションやアレンジ、ミックス、リミックスの様々な例を聴かせたり観せたりする2時間。


そんな話が最終的にはなぜか80年代『ジェーンフォンダのワークアウト』と2000年代『ビリーズブートキャンプ』のBPM比較検討とか(BGMのテンポが倍近く違う!)『ハレ晴れユカイ』各国ヲタク振り真似バージョンの比較検討といった落としどころに……。いやオチてないか?しかもどれもYOU TUBEの映像だし?


ま、しかし、YOU TUBEで誰でも映像ソースを利用できるようになった現在、昔の学者や評論家がそうであったような「誰も持ってない貴重な資料を持っている」というアドバンテージは、ほとんど無意味になりつつあるよね。


「資料」は、もはや誰でもアクセスできるデータベースにすぎない。であれば、大事なのはそれらのデータを、どう意味づけし分析し解釈してみせるかという料理法、つまり情報のリミックス技術かもしれない……待てよ、これって「アレンジやリミックスの重要性」っていう今日の本題と、実は同じ話じゃん。ちゃんとオチになってて、ひと安心。