タイミングにC調に無責任


というわけで新学期。隣の研究室の周平さんが「ヲノちゃん、凄いことになってるよ!」とTVを見せてくれた。世間は首相退陣のニュースで盛り上がっているようですね。


この話の衝撃性は、一国の宰相が「やめたかったら責任なんか放り出して、いつでもやめちゃっていいんだよ、別に…」というお墨付きを、公然と国民に示したという点ですかね。


ってことは、終身雇用の保証もないのに安月給で働いてられませんとか、道徳だの愛国心だの強制されるの馬鹿馬鹿しいから学校やめますとか、返ってくる当てのない年金なんか払うのやめますとか、少子化だか知らないけど育児なんてキツい事やってられないんで子供は赤ちゃんポストに入れますとか(以下略)日本国民の大多数がいろんな事をガンガン「やめちゃう」のかなーこれからは。いや待てよ?既に世の中、そうなっちゃってるか… 首相の決断すらそういった「空気」の一部にすぎないのか。


まあ、人によってはいよいよ日本沈没ととるかもしれないけど、しがらみの中でやめるにやめられない日々を送っている人にとっては、そうだよなその手があるよなという希望の光でもあったりして。要するに、良い話なんだか悪い話なんだかよくわからない。はあそうですかとしか言いようのないニュースではあった。


そう言えば、学生も最近いろいろ悩んだり疲れたりしている人が多いみたいなんだけど、休みたきゃ休んだって良いんじゃないですか(ここだけの話)なにしろ首相がこういう案配なんですから、この国は。


とは言え当方はやめるわけにもいかないのでちゃんと授業。


今日の音響構成論ゼミは学生が夏休みに仕上げたクラス全員によるコンピCDの試聴。タイトル『寿司盤』…相当おもしろかったです。アレンジとかミックスとか荒けずりなのは想定内。それよりも、それぞれの発想とかキャラクターの斬新さとか。ギャンブルのビギナーズラックにたとえたら失礼かもしれないけど、知らないからこそできる大胆な表現は、知ってしまったこちらにとって、たいへん刺激になります。


毎年毎年こういったワークショップを続けていられるのは、こういうフレッシュな作品を味わえる役得があるからかもしれない。やめて良いと言われても、やっぱ当分やめられそうにないな、この商売。