音楽で稼ぐ20の方法
「Sound On Sound」7月号が届いた。THE WIRE と並んで定期講読しているUKの雑誌 。日本の音専誌と違って、新譜レビューとかアーティスト情報とかいったレコード会社寄りの話題一切無しで、ひたすら機材&技術情報を追求する姿勢が潔い。
機材レビューのページも「pro&con」と称し、長所と並べて短所も必ずリストアップしているところが、逆に信頼感を高めている。機材って、短所があっても長所がそれを上回れば納得して買うものだから。(ちなみに、このレビューによく出てくる短所は「値段が高い」とか「パワーサプライが本体と別」とか「端子が少ない」とか。)
さて今月号で面白かったのが「あなたのオーディオ機材とスキルで金を稼ぐ20の方法」という記事。
もしアナタが多くの読者と同じなら、自分のスタジオを作ってその使い方を学ぶ事にある程度の時間とお金を費やしていることでしょう。しかし実際のところ、もしアナタがプロのミュージシャンでもエンジニアでもなく、日中音楽と関係のない仕事をしているとしたら、その機材と音楽性を使って少しばかり収入を増やす方法を考えた事はありませんか?
という、やや怪しげな広告ふうの書き出しで始まるこの記事は、音楽にまつわる(UKの)様々な職種を紹介していて興味深い。
- ライブラリー・ミュージック(著作権フリー音楽)制作
- 音楽教育
- 映像音楽/音響効果制作
- メーカーの製品デモンストレーション
- 音楽ジャーナリズム
- 放送ジングルの作曲
- 地域コミュニティや芸術協会の仕事
- 書籍の執筆
- 音響機材のレンタル
- CM音楽制作
- 音楽ソフトの設計
- 教会の音楽
- マニュアルの執筆
- ライヴPAの音響エンジニア
- サンプル音源ライブラリーの制作
- 企画ものアルバムの制作(ヒット曲のカバー盤 etc.)
- ロケーション録音サービス
- ポッド・キャスティング
- 効果音の販売
- テーマパークの音響制作
- 校歌の作曲
等々…20を超える「"アーティスト"になる以外の、音で稼ぐ方法」が解説されている。地域コミュニティとか教会の音楽ニーズは欧米ならではという感じもするけど。基本的には日本と同じようなお仕事ですね。というか、このリストのうち、ほとんどの仕事は当方も経験しているという…
他にもTIPSとして「ウェブ検索を使いこなせ」とか「地域の音楽シーンで目立て」とか「税金に気をつけろ」とか、実になんというか現実的な仕事の方法が指南されてます。「とにかく毎回良い仕事をせよ。1度でもダメな仕事をすると、良い仕事の10倍長く記憶されてしまう」なんて指摘は、音楽に限らずフリーで仕事する全ての職種に当てはまる鉄則ですよね。
『13歳のハローワーク』にも書いていないニッチな音楽産業に食い込みたいアナタ、今月号は買い!