過度の緊張は健康の大敵

WONO2006-07-12


今日は音響構成論ゼミに、ゲスト講師としてSONORE主宰のフランク・ストファー氏を招聘。当ジャーナルにも何度か登場してきたフランクに、今回は欧州音楽事情について語ってもらうという趣向。しかし主宰者として通訳を行なわなければならず、冷や汗をかいた。


外国語(英語)で会話してる状態って、文章を読みながら意味をつかんでいく作業とは脳の使用部位が根本的に異なるのではないか。その場で次々と音を奏でていく「即興演奏」と、時間軸をいきつもどりつしながら徐々に全体像を組み立てていく五線譜上の「作曲」ぐらい、大きく異なる気がする。「裏ヲノ=相手の言ってることを(イメージとして)理解し咀嚼する作業」「表ヲノ=(イメージを)筋道たった日本語に置き換えようと作文する作業」という全く違った脳の使い方を、レクチャーの間じゅう続けなければならないのである。まるでジャグリング。


それでまた、話題が「SNSと音楽業界」とか「音楽のデータ化と音楽文化の変容」といった刺激的なトピックだったりするもんで、翻訳するよりも、その話題について「うーん…」と連想をめぐらしたりする方が忙しくなって、つい無言になってしまったりして、…いやぁこの精神的痙攣状態、健康に悪いです。バイリンガルの人がうらやましい。


というわけで、終了後は平常心を取り戻すために研究室でざっくばらんなレセプション・パーティを催したのであった。(方便)