2ステージ

WONO2005-12-11


都内でも血中クリスマス濃度の比較的高い土地柄ではないか恵比寿から代官山にかけてのストリートというのは。久しぶりに通ったら、有名なヒルサイドテラスの「クリスマス・カンパニー」以外にも何軒か、クリスマス用品の専門店ができている。そんなのを横目にみながら、はやくも懐かしき場所となってしまった鎗ヶ崎まで30分ほどぶらりと歩き、UNITに到着。


今日のイベントは『DADDY'S XMAS』と言えばそれらしいタイトルだが、要は『オヤジたちのクリスマス』という主旨らしい。福岡ブルーノート以来、我がブラックベルベッツとは懇意にしていただいている敷島親方が主催。出演者も全員オヤジ(笑)


ショウは、クレイジーケンバンドのサックス中西さんが率いるスリードッグホーンズでファンキーに始まった。クラシックギターを伴奏に「オヤジいらんかえ…」などと中高年の哀愁を歌う「ペーソス」に笑い、なんと世界サンタクロース協会の公認資格を持つというパラダイス山本さんのサンタDJ(トナカイつき)に笑う。


そしてベルベッツの演奏。土曜の早い時間とあってか(出演者の家族か?)なぜかお子さん連れが多かったようで、我々がステージに出ると「わー、ともともだ!」と駆け寄ってくる。まずいなー、と内心たいへん困るメンバー。なにせ今日のステージは、プロのストリップ・ダンサー乱さんが我々の演奏する『男と女』やら『ベサメムーチョ』やらをバックに、ちょっとここには書けないような、非常に繊細な芸を披露するという企画なのだから…。


案の定、ステージが進むにつれて、急いでお子さんを連れて出ていくお母さん、観ちゃダメ!とお子さんの目をふさぐお母さんたち。そんなフロアを見るのも心苦しいし、かといってステージ上もどうにも目のやり場に困る光景で、いやはや、ふだんの数十倍も疲れるステージだった。メンバーみんなも同感だったと終演後、汗をふきながら語ってました。


トリの『吾妻光良とスウィンギン・バッパーズ』は、期待通りのものすごいカッコ良さでくぎづけ。これが観れただけでも参加してよかった(と出演者が言って良いのか)まさにオヤジパワー全開のビッグバンド。スカパラの『さらば友よ』に客演しているのを聴いて「なんだろ?この人、すげえイイ歌だな」と思わされた、吾妻さんは、お茶の水博士に似たルックスでビンビンに力の入ったブルースギター、そして塩辛い声のボーカル。うーん、ブルースは年の功だねえ。


最後まで観たかったけど時間切れ。ベルベッツは本日ダブルブッキングなので空中元彌チョップをキメに(意味不明)次の会場、目黒のリノベーションホテル「クラスカ」へ移動。


こちらはイベントの主旨も全然わからないまま来たけれど、とりあえずDJが回しているのはエレクトロ二カ系のソリッドな音で。客筋も明らかにクラブ系で。いいのかこんな状況で笑という感じで準備を始める。PAは無に近い状況で、同行してくれたマリモレコード江夏くんが、にわかエンジニアを買って出てくれた。外音のバランスも不明。だが別にかまわないのがベルベッツ流。


なんだこれ?みたいな感じで遠巻きに眺めていたお客さんからも、『コパカバーナ』や『うる星やつら』といった定番曲のあたりでは笑いも出、踊り出す人もいたぐらいで。座をあっためるという役割は十分に果たせた模様です。 雰囲気としてはワイキキのホテルのプールサイドでビリー・ジョエルの曲を演ってるダサいハコバン、みたいな感じで、バンドの原点に帰った気持ち(笑)


他のメンバーはさらに、この後ここで行なわれるCOLDFEETのライヴにゲスト出演するという働きマンっぷりだったが、当方は妻子が心配なので帰宅。WATUSIさんからは「いやー学校に入る頃にはラクになりますよ、子育ても」と激励の言葉をいただく。いつもながら、イイ人だなー。


しかし今日の疲れは、1日ステージだからというよりも、1ステージ目の精神的緊張感だな、やはり(笑)