時間よ止まれ

ってのはレイト70'sに大ヒットした矢沢永吉先生の名曲ですが.そんなことはともかく.今朝は上京した父と六本木ヒルズ見物.


展望台に登って,雨でホワイトアウトした都内の風景を憮然としながら「見物」した後,ついでに(と言うのも美大教員としてどうかと思うが)森美術館杉本博司 時間の終わり」展に入場してみた.雨の午前中なのが幸いして場内かなり空いていた.


展示作品の中で最も気に入ったのは,世界中の海面を全く同じ構図で撮影した『海景』シリーズ.海面なんて空間に水平線一本引いただけでどこ行ったって変わりばえしねぇもんだ,なんて事は全然なくて,ものすごく変わりばえするところが面白い.永遠に見とれていたいくらいだ.時間の終わりどころか,終わりも始まりもない忘我の時間.


ただしこういう作品は展示照明が難しい.ライトの反射がどうしても気になるのだ.ライトボックスに入れて透過光で観られたら最高.いやいっそ映像か,カメラオブスキュラで眺め続けるというのもいい… (と,妄想は果てしない)


ちなみにこの会場の音響は池田亮司氏が担当.耳鳴りのような電子音がドロ−ン状態で鳴り続け,場内を移動すると聴こえ方が微細に変わるというものであった.



[追記]
このように書いた後、REAL TOKYOの小崎哲哉さんの評論で知ったんだけど、なんと作品に反射する照明ってのは、作者による意図的なものだとのこと! やられたなー… もう1回見直したくなりました。