ワンノートサンバ

WONO2007-12-04



必死でキーマガ原稿執筆。実は既に〆切すぎてます。千房くん (a.k.a.Exonimo) から鍋パーティのお誘いがあったけど、そんな事情で泣く泣く断念。エキソニモの2人が料理上手というのは春のニームで実証済みなので、まことに残念ではあったが…。


連載の今回のネタは、御大ジョビンの『ワン・ノート・サンバ』。まあジョビンともなると取り上げるべき名曲はいくらでもあるわけだが。この連載は作曲技法に特化した主旨なので。たった2音のメロディをカラフルにハーモナイズしてみせたこの曲がいかにスゴいか…という話を書いてみた。


さて名曲の名曲度をはかる一つの指標はカバー・ヴァージョンの多さ。この曲も i tunes store だけで、なんと150曲もあります。個人的にも明和電機『御中元 明和電機』でカバーしたり初期ライヴで必ず演奏していたので、言わば懐メロ(明和バージョンはsony musicのサイトで試聴できます)


で、当方のおすすめカバーはPerry&Kingsley『Kaleidoscopic Vibration』(Amazonでは在庫切れのようですが中古盤探す価値大!)


これは、いわゆるムーグもの*1の名盤ですね。シュトックハウゼン(先頃亡くなりましたな…合掌)よろしく、磁気テープの切り貼りとアナログシンセによる音響合成という前衛的な手法に膨大な時間を費やしていながら、演奏されているのは単にベタなムード音楽。というオーバースペック感が最高。とにかくサウンドキッチュでキュートでカラフルにソフトロックしてます(←カタカナ多すぎ)ちなみに元ネタにしているアレンジはたぶん『Sergio Mendes & Brasil '65』のそれ。


もう一つ、ものすんごいカバーを。こちらは映像で観られます。
http://www.youtube.com/watch?v=PbL9vr4Q2LU



映画『真夏の夜のジャズ』にも、名曲『ティ・フォー・トゥ』のアニタ・オデイによる高速スキャットバージョンってのがあって興奮しましたが、こちらエラ・フィッツジェラルドスキャットの濃さもただごとではないね。後半バンドが鳴りやんでからの長い長い長〜いカデンツァの緊張感たるや…。

*1:正式にはモーグと呼ぶのが正しいのですが、ミッドセンチュリー時代のモンドものに関してはやはり当時の流儀にこだわって、あえて“ムーグ”と呼ぶ方が気分