十番がたいへんなことになっている

WONO2007-08-25



息子を連れて家族3人、麻布十番の夏祭りにくり出す。十番と言えばマハラジャが名物だったバブルの頃は「陸の孤島」と呼ばれ、車がないと行くのが大変で、夜ともなるとひっそりしずまりかえっていて、都心と思えぬ渋いエリアだったものだが。地下鉄ができ、六本木ヒルズができ…、で今や大賑わい。3時のオープンに合わせて出かけたこの祭りも、夕方にかけて溢れる人波がものすごいことになってきた。


最も麻布らしいのは国際色の豊かさか。有名な国際バザールではエスニック料理(←死語か?)の数々が並ぶし、路上には普通に「BON DANCE」だの「10-BANG!」だのといった横文字のノボリも見られる(『10-BANG!』と書くセンスを国際的と言って良いのか疑問は残るが)。


しかし今日もっとも麻布らしさを感じたもの、それは「ドンペリ屋台」だ!


ドン・ペリニオンのマグナム・ボトルをドンと置いてシャンパンタワーを積み上げ、「ドンペリいっかースかー!!」と黒服店員たちが連呼している風景がなにしろ馬鹿すぎる。ここは一杯キメるのがバブル時代経験者のケジメってもんだろ。


さっそく一杯頼んだら「ハイ、ドンペリ1丁! 2000円になります」…って、おいおいおい!!!プラスチックグラスの底をチョロリと濡らしただけのこの垂れ雫がその値段かーっっっ?子どもの風邪薬じゃないんだからさ!いくらなんでももっとこう、常識的な量ってもんがあるでしょうが!!!!!


と心の中で血の涙を流しつつも「ん?ドンペリ?毎日飲んでるけどねー。まあ祭りだからお布施、賽銭の類いだあな。一杯飲んどくよ、ワッハッハ」(仮想キャラクター:ニューリッチ層)などと誰もきいてないのに一人言ぶつぶつつぶやいているそんな自分が心底貧乏臭いと思いました。(完)