超残響空間


多摩美の新校舎にて『INSIGHT VISION II』なるイベント。要するに教員や関係者による展覧会。というか学生に「おめーら見とけよ!プロはこういう展示するんだぜ」と大人がスゴんでみせる企画と見た。実際、皆さんオーバースペックすぎます。学内展示でここまでやるか!?というもの凄い作品展示っぷり。言っちゃ悪いがICCあたりでこれやったらしっかりお金とれます。って感じの、メディアアートの祭典でした。


しかしゆっくりそんな見物をする暇はない。というのもこのイベントがらみの企画で、研究室の音響機材で即席システムを設置しライヴPAを担当しなくてはならない。TBC(タマビ・ブート・キャンプ)再び!って感じの重労働。朝の講義が終わったらすかさず現場入りして設営、調整、リハーサル…しかも自分もライヴ出演までするという。もちろん完全なるボランティア仕事である。


会場のホールは吹き抜けの展示空間で、リバーブのプリセット「カテドラル」って感じの(音楽制作者にしかわからない例ですみません)もの凄い残響空間。ひらたく言えば「巨大な風呂場」。マイクの音量をちょっと上げるとすぐキーーーーンとハウリングがやって来る、いわゆる音屋泣かせのハコである。ここで強引にライヴやってしまおうってんだから大変だ。


しかし演ってわかったのは、冷静にPAエンジニアする脳と、プレイヤーとして熱くパフォームする脳は、どうも部位が違うらしいということ。今回はあえてコンピュータ一切使わないインプロヴィゼーションというのに挑戦してみたが(10年ぶりぐらい?)パフォーマーとしてノり切れなかった残尿感に終演後、自分としてはかなり凹みました(哀)