汚れた血

WONO2007-06-05



今日の映像論は『汚れた血』


予定では『ベティ・ブルー』のはずだったが、急遽変更。というのも『ベティ・ブルー』だと語る事が全くない(笑)ただひたすらベティに振り回される主人公に感情移入したり2人の甘い空気に身を浸してればそれで良い映画なので(私見)講義なんかで語るのはヤボすぎるだろう、と。で、映像的に語る部分の多そうなカラックスに変更。


カラックスというより実は撮影監督ジャン・イヴ・エスコフィエのセンスが好きなのだ。ちょっと観たことのないアングルとか、ハッと驚く画面構成とか、青と赤を生かした(ちょっとゴダール的な?)鮮やかな色彩とか。ウォン・カーウェイクリストファー・ドイルなどにも感じる、二人三脚というか一心同体的なコンビネーション!


などと語ろうと思っていたが、久しぶりに観たら、学生時代に初めて観た時には共感できた主人公の青臭さが、何とあまりにも「痛く」感じられる。ものすごくのめりこんで何度も足を運んだ映画なのに。うーん、こんな作品だったかな…?という感じで、なんだかちょっと、過去の自分に裏切られた気分だなー。映像的には、やはり何度観てもスタイリッシュなのは確かなのだが。


まあこれは、当方が単に年をとったからかもしれないな。今どきの青年はどう感じただろうか?