気がつけば歴史

WONO2007-05-17



ツアー中の節制が効を奏したか風邪がようやく治った感じ。しつこく咳は出続けるが…。


再び大学に戻って、今日の映像論で扱った映画は「モーターサイクル・ダイアリーズ」。革命家になる前のチェ・ゲバラとその悪友の放浪旅行(実話)を描いたロード・ムービー。「ドジふみながら旅する若者たちの青春映画」という定型に徹しつつ、しかし旅の中で垣間みられる差別や貧困がその後のゲバラという人間を形成していったのだなと伝わってくる、爽やかだが重い作品だ。授業では中南米の歴史やその後のゲバラの運命などをレクチャー。ここでも先週の「JSA」の朝鮮半島史と同じく、米ソの代理戦争…というか米国の凄まじいパワーによって翻弄される小国の悲劇に触れざるをえない。


その後のデザイン論ゼミでは学生によるグループ発表。ダンス音楽の歴史を年表にするという課題である。


「ロックとダンス」「EDM(エレクトロニック・ダンス・ミュージック)」「ディスコとクラブ」それぞれの発祥から現在までを年表にまとめてその概要を発表する、というプロジェクト。予備発表にもとづき、それぞれが興味ありそうな分野を選んで割当てているので、みな熱心に調べてきてくれていた。


年表作成というと「とにかく事象を詳細に集めて年代順に並べる」という作業に熱中しがち。けれど細かい固有名詞や年代よりも、全体としての「大きな流れ」を見い出し、そこから「文脈」や「傾向」を読み解く事こそ大事なのではないか…なんて話をしてみた。


しかし気がつけば歴史の話ばかりしているような…? 子どもの頃は年号など暗記するの大の苦手だった人間が偉そうにこんな事やってるんだから、人生わからないものです。