月曜日と雨の日は

担当カスガアキラ氏がバリ島に旅立ってしまったので「VAC月曜の部」代講のため多摩美へ出張る。


アキラに「うらやましいーーー」とメールで叫んだら「いやいやいや全然そんなイイもんじゃないのリサーチばっかりでのんびりなんかできないの!」と即レスがあったが、いやいやねっとりとした森の空気に身をおいてナシ・チャンプルやらサテ・アヤムやらビンタンビールやら(以下略)朝に夕に食することができるってだけで、自由時間ゼロでも十分もとはとれるさ!と嫉妬に身を焼きつつ、雨模様でパッとしない月曜日の午後をワークショップで過ごす。


しかし月曜のせいか?連休明けのせいか? クラスが妙にさめた雰囲気なので、「21」でウォームアップ。


これはグループの集中力を高めるための簡単なゲーム。「1」から始めて、言いたい人が好きなタイミングで「2」「3」…と数字を言っていき、「21」で終わり。ただし複数の人が同時に同じ数を言ったら、また「1」に戻る。空気や人の呼吸を読みながら、誰も言ってない瞬間を見計らってサッと数字を読む。これって、やってみると意外に難しいもので、「19」あたりで声が重なると「惜しいーーーっ!」とみんな地団駄踏みます。


VACクラスの12名という人数はこの「21」以外にも、「フルーツバスケット」とか「震源地」といったコミュニケーション・ゲームをやるのにちょうど良い人数なのだな。(開講前に面接で受講希望者をしぼったのは、こういう理由もあるわけです)けれども、やはり連休明けマジックか、どうも今日は上手くいかず、どうしても「21」までたどり着かない。たどり着くまでやってるほうがセンセイとしてはラクチンで良いのだが、高い学費ふんだくっておいてそれはないだろうという良心回路の作動により、適当なところで切り上げて授業開始。


今日の前半はグループごとの研究発表。後半はまた別のグループに分かれ、ブレストでネタ出し、それから個人発表にうつる。「映像作品の展示形態を考える」といったお題で、要するにビデオ・インスタレーションみたいな上映のアイディアを出しあうというテーマなんだけど、これがかなり面白かった。


プロジェクターで人体に映す、床面に水を張って映す、壁をぜんぶ鏡張りにして映す、1人1枚の画像を持ってマスゲームというか人間パラパラマンガ状態で映像を演じる(?)などなど、奇想天外なアイディア続出。こうこなくっちゃ。


経験則から言わせてもらうと、面白いアイディアってのは、きまってバカ話から生まれる。あるいは少なくともバカ話ができる雰囲気、バカ言ってんじゃねえよと白い目でみられたりなんかしないと安心してバカ言える空気の中から生まれる。まだ正味1ヶ月もたっていないこのクラスだが、そうしたムードが早くもできているようで、内心ほくそ笑む当方であった。