「OHM+」
OHM+ [the Early Gurus of Electronic Music 1948 - 1980/+DVD] Box set
(Ellipsis Arts / ELLICD3690 )
これも先月の収穫だけど、サウンドレコーディングマガジンの記事で見かけた瞬間「これは買うしかない!」と思ったCD/DVD「OHM+」。実はずっと前にCDの方は見かけたのにアッという間に店頭から消えていた口惜しい1枚(いや3枚組CDなんだけど)やっぱり買い物は見かけたその時すぐに、が鉄則だ。
現代音楽、電子音楽、エレクトロ二カのミッシングリンクを埋めるコンピレーションと言えば、デヴィッド・トゥープの『OCEAN OF SOUND』とかSUB ROSAレーベルの『AN ANTHOLOGY OF NOISE & ELECTRONIC MUSIC』とか、これまでも発売されてきたわけですが、『OHM+』は再発にあたってDVD付きにボリュームアップしてるところが嬉しい(DVDのみでも売られている模様)
DVDの映像は、モーグ博士インタビュー以外(これはさんざんみた映画『モーグ』の一部でした)初めて見るものばかり。クララ・ロックモアがホームパーティでテレミンを演奏するところとか、ポール・ランスキーが音楽つけたアニメとか、ポーリン・オリヴェロスが映像とのコラボレーションで電子音楽ライヴやった記録とか、アルヴィン・ルシエが頭につけた電極で拾った脳波を増幅してティンパニやドラムを鳴らすライヴ演奏とか(馬鹿度高すぎて必見)マックス・マシューズの音楽によるダンス(アブストラクトなサウンドに振り付けが一対一対応していて笑える。ケミカルブラザーズ『スターギター』PVの人間版というか…)とか、とにかく電子音楽史のトップスター勢揃いという凄まじいラインナップ。
個人的にいちばんグッと来たのは、意外にもクセナキス『ボホール』。エルンストのフロッタージュを思わせるアナログな抽象映像と、これまた抽象的なクセナキスの音楽には、いわゆる「物語性」は皆無なんだけど、妙に見とれてしまう。昨日の『WIRE』DVDに収録されていても全然おかしくない感じ。