ロボ・ブラジレイラ

WONO2005-07-04



『WITH ROBO BRAZILEIRA』
TOSHIYUKI YASUDA


「ロボ・ブラジル」という自動打楽器演奏マシンを、そう言えばかつて明和電機のステージでも用いていたが(もちろんこれはプロレスラー『ボボ・ブラジル』のダジャレ。…と言ってもこの名前を知っているのは30代後半以上ではないか?)ミュージシャン安田寿之さんが送ってくださった新譜のタイトルは『WITH ROBO* BRAZILEIRA』。


安田氏の1stアルバム「ROBO*BRAZILEIRA」も、架空のロボット歌手がブラジル音楽を歌うという何とも愛らしい企画だったが、今度の作品は、そのロボ声と人間シンガーたちがデュエットするというもの。


クリック・ハウスならぬクリック・ボッサ的な曲や、ワルター・ワンダレイ調の涼やかなオルガン(のシミュレーション!)など、ヒネリの効いたアレンジが楽しめる。クラブ・ボッサよりさらに進んだ、音響以降のラウンジ音楽が好きな人にはうってつけの1枚。


ブラジル音楽は大好きだけど、だからって日本語話してる日本人がブラジル音楽そのまんま演る意味がどこにある?と常々考えこんでいる当方としては、このような形で、ご当地の人間にはできない「外の人間ならでは」の再生産を行ってみせた点、強くリスペクトしたい。


しかしまあ、安田さんの場合そんな話はおいておいてもフツーに良い曲なんだよね。グッとくるメロディ、ホロリとさせられるハーモニー、お洒落な展開。いいじゃんいいじゃん。夏の前に発売されたのもグッドタイミングというところではないでしょうか。