死語の世界


田舎の町を歩いていると塀や電信柱に、黒地に黄色の手書きふう文字で「死後、裁きにあう」とか書いた細い看板?金属板?のようなものが貼ってあったものですが、あれは何だったのだろう(僕の故郷だけか?)幼い頃あれを見つけると何とも嫌ぁな気持ちになって小走りでそこを立ち去ったものです。今にして思えば「恐怖新聞」(つのだ☆じろう著。あ、☆はいらないか「つのだ☆ひろ」じゃないんだから)の題字とも似ていたような。


という意味不明のツカミで書き出してみましたが、えーとそういう話じゃなくて。昨日の日記、アップロードしたら「はてな検索」で「死語」に自動リンクが張られたので、ふとクリックしてみた。……いや、あるわあるわ。この死語の嵐、どうよ?


背広
洋服系はあります色々。「チョッキ」とか「とっくり」とか。「コール天」(コーデュロイの事ですね)ってのもあります。ジーンズの事を「Gパン」って言うのもアンシャン・レジームの特徴。ハンガーの事を「えもんかけ」って言うのは…俺だけか(涙)。


ハウスマヌカン
これまたアパレル系ですね。80年代には男店員の事を「ハウスマヌカン・オム」と呼んだものです(嘘) いとうせいこう「夜霧のハウスマヌカン」という冗談レコードもあったような記憶が。そもそも「カタカナ職業」(これも死語か)って言葉が流行ったきっかけは、アメックス・カードの「職業、エディター。 恋人、妻。 週末、活字を忘れる。…男はこうありたい」とかいうCMだったと思う。 エディター以外にも「空間プロデューサー」だの「フード・コーディネイター」だの「ロード・コンストラクター」だのと何でもカタカナの時代が確かにあった。(一部、嘘)


ナウイ
あーねー。「イマい」というのもありましたね。ふつう「ヤング」の接頭語として使われる。「母」における「たらちねの」みたいなもの。ちがうか。


コギャル
「ギャル」からして厳しい。「ギャル男」「ガングロ」「ゴングロ」「マンバ」……ああ恥ずかしい恥ずかしい。とにかく、ナウいヤングの流行りモノは全て将来の死語化が確約されている。


アウト・オブ・眼中
あーねー。「態度L(エル)」なんてのもあった。こういうちょっとヒネってみました的な物言いの死語率って、そーとー高いのでR。(←昭和軽薄体(死語))


エアチェック
類義語=エアパック(嘘)ヘアチェック(大嘘) 9.11.テロ以降の米国に端を発する空港および航空会社の厳戒態勢のこと。……なんつっても誰も疑いもしないようになるのではないか数年後には。お金のない少年時代、NHK-FM夕方の「軽音楽をあなたに」と夜中の「クロスオーバー・イレブン」でジャズ、フュージョン、ソウルをカセットテープに録音しまくったのが懐かしい。それにしてもバック・トゥ・ザ・フューチャーみたいに過去からタイムスリップしてきた人に「今やラジオは有線だし、電話は無線だよ」(ストリーミング放送と携帯電話の普及。20世紀には予想もつかなかった事でしょうな)なんて言ったら驚愕するでしょうね。ちなみに「はてな」の解説には「TSUTAYA普及により廃止」とある。そうか?そうなのか?


ネンネ
今どき使う奴いるのかーーーー!!!(と机を叩く)使用例「アハハ、マチャコ(本名・雅子)って本当にネンネだよなあ」と人差し指でオデコをはじく青年。


ヤンエグ
あー、あの新しく出た男性コミック誌ね(知ったかぶり)


三高
あー、戦前の旧制高校にそんなのがあったような?(うろおぼえ)


アッシー
芦ノ湖に棲息すると言われる幻の怪獣(そんなわけないだろう)


メッシー
滅私奉公の略


ミツグ君
あー…、ねー………。


ヤンエグも三高も「はてな」によると「バブルと共に弾けた」と定義されている。「バブル」自体、ちょっともはや口に出すのが恥ずかしいんだけど。しかし、レイト90'sには本当にみんながみんな、連日「バブル崩壊が」とか「バブルがハジけて」とか連呼してて、当時から既に気持ち悪かった。


で、「はてな」に従ってこれらの死語を現在の流行語に置き換えるとこうなるらしい。


死語「ハウスマヌカン」→流行語「SHOP店員」
死語「ハンサム」→流行語「イケメン」
死語「ボイン」→流行語「巨乳」


……うーむ、この「流行語」自体、数年後には確実に死語になってると思うのだが。つまり結論は、流行性の高い言葉ほど、鮮度が落ちた時の腐臭たるや凄まじいものがある…という事でしょうか。


ちなみに当方、家ではいつもカメラの事を「写真機」ティッシュの事を「ちり紙」と呼んでは妻の失笑を買っております。 なーんちゃって(死語)